著名刀剣標準価格表・「あ」~「お」
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- 【刀の蔵からのコメント】
- 名著 刀剣要覧は戦後の刀剣界にあって、バイブル的存在であり通算で改訂版は22版を数えるに至っています。中でも著名刀工標準価格表を参考にする機会は多く、著名刀工の国や製作年代を確認する上で役立ちます。また評価の大まかな目安として捉えることができました。
- しかし乍ら、改訂版22版が発刊(平成13年)されて久しく、その後の日本経済はリーマンショック等世界経済のうねりにのみ込まれるかたちで大きく打撃を受け、牽いては日本刀の評価基準にまでその影響が大きく出ています。実勢価格との大幅な乖離が生じているのが実情でございます。
- 【ご注意】
- この情報は購入判断の参考としての情報を目的としたものであり、購入の勧誘を目的としたものではありません。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。万一この情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社は一切責任を負いかねます。
- 国別
- 元号
- 時代区分
- 価格(単位:円)
- 昭秀
- あきひで
- 出羽
- 文化
- 新々刀
- 4500000
- 水心子正秀門。新庄住。「水生子昭秀造」「出羽国住人昭秀」刃文、互の目乱、直刃もあり、匂い締まるもの多い。
- 昭光
- あきみつ
- 信濃
- 安政
- 新々刀
- 3000000
- 佐々木三郎。「信州池田住昭光」刃文、互の目乱、直刃。
- 秋広
- あきひろ
- 相模
- 貞治
- 古刀
- 16000000
- 短刀
- 貞宗門という。「相州住秋広」刃文、沸出来互の目乱の皆焼となり、砂流しかかる。
- 紹芳
- あきよし
- 武蔵
- 寛政
- 新々刀
- 4200000
- 水心子正秀門。大坂町奉行。「紹芳作」「彦坂紹芳」刃文、直刃。
- 顕国(初代)
- あきくに
- 長門
- 至徳
- 古刀
- 8800000
- 安吉門。長門左。「顕国」刃文、沸出来互の目乱、直刃足入りもある。
- 顕国(二代)
- あきくに
- 長門
- 永享
- 古刀
- 8000000
- 「長州住顕国」「長州住顕国作」刃文、上同様。
- 天秀
- あまひで
- 新々刀
- 正秀【まさひで】(初代)…武蔵(文化)参照。
- 有国
- ありくに
- 山城
- 治安
- 古刀
- 15000000
- 三条宗近門。法師。左馬尉。「有国」刃文、小乱小沸出来。
- 有国
- ありくに
- 山城
- 寛元
- 古刀
- 20000000
- 粟田口。藤五郎。国家(承元)五男。「有国」作品まれ。刃文、小沸付小乱。
- 有功
- ありこと
- 山城
- 嘉永
- 新々刀
- 4500000
- 公卿。森岡朝尊門。「千種正三位源有功」刃文、匂い締まった互の目丁子。
- 有綱
- ありつな
- 伯耆
- 養和
- 古刀
- 18000000
- 大原真守子、又は孫という。「有綱」刃文、小沸出来、小乱多い。
- 有俊
- ありとし
- 大和
- 永仁
- 古刀
- 13000000
- 千手院。大和国行門。「有俊」「長有俊」刃文、直刃沸付き二重刃、小乱もある。
- 有成
- ありなり
- 河内
- 長和
- 古刀
- 12000000
- 三条宗近同人、又は子という。「有成」刃文、小乱小沸出来。
- 有平
- ありひら
- 加賀
- 寛永
- 新刀
- 6000000
- 初代兼若二男。景平弟。「加州住藤原有平」「越後守藤原有平」刃文、互の目乱、直刃もある。
- 有正
- ありまさ
- 陸奥
- 永暦
- 古刀
- 12000000
- 舞草。有正(保延)子。古備前正恒(保元)父という。奥州太郎。越前にても打つ。後、備前住。「有正」刃文、小 互の目乱、小沸出来。
- 在光
- ありみつ
- 備前
- 文明
- 古刀
- 9500000
- 有光(文安)子。左京進宗光との合作あり。「備前国長船藤原朝臣在光」「備州長船藤原朝臣在光」刃文、互の目丁 子小乱、直刃。
- 在光
- ありみつ
- 備前
- 天文
- 古刀
- 9500000
- 「備州長船在光」「備前国住長船九郎左衛門尉在光作」刃文、互の目丁子小乱、直刃。
- 在吉
- ありよし
- 山城
- 慶長
- 新刀
- 10000000
- 堀川国広門。「阿波守藤原在吉」「在吉」刃文、互の目乱、直刃もある。
- 国別
- 年号
- 時代区分
- 価格(単位:円)
- 家貞
- いえさだ
- 出雲
- 天正
- 古刀
- 6000000
- 雲州忠貞派。石見にても打つ。「雲州住家貞」刃文、互の目乱。
- 家重
- いえしげ
- 備前
- 応永
- 古刀
- 9000000
- 義景門。「備前長船家重」刃文、互の目乱、匂い出来、小沸小乱もある。
- 家重(初代)
- いえしげ
- 加賀
- 元和
- 新刀
- 6000000
- 勝家(元亀)子。「加州住藤原家重」刃文、互の目乱、匂い締まる。
- 家重(二代)
- いえしげ
- 新刀
- 勝国【かつくに】(初代)…加賀(寛文)参照。
- 家助
- いえすけ
- 備前
- 文保
- 古刀
- 9000000
- 畠田守家(弘安)子。「家助」刃文、小乱互の目丁子。
- 家助(初代)
- いえすけ
- 備前
- 応永
- 古刀
- 13000000
- 小反備前。次郎左衛門。「備州長船家助」「家助」刃文、互の目丁子。
- 家助(二代)
- いえすけ
- 備前
- 正長
- 古刀
- 9000000
- 長船。初代家助子。「備州長船家助」刃文、互の目丁子。
- 家忠
- いえただ
- 備前
- 寛元
- 古刀
- 13000000
- 古備前。「家忠」刃文、直丁子、又は直小足入る。
- 家忠(初代)
- いえただ
- 加賀
- 寛永
- 新刀
- 7000000
- 陀羅尼勝国弟。洲崎吉兵衛。「賀州住藤原家忠」「賀州住藤原家忠辻村又助兼若」刃文、湾れ互の目乱、直刃あり。
- 家忠(二代)
- いえただ
- 加賀
- 寛文
- 新刀
- 5800000
- 初代家忠子。「賀州大聖寺藤原家忠」「加州大聖寺住七左衛門家忠」刃文、湾れ互の目乱、直刃あり。
- 家次(初代)
- いえつぐ
- 加賀
- 永正
- 古刀
- 8000000
- 国次(応仁)子。加賀青江と称す。「家次」「加州藤原家次作」刃文、互の目乱、直刃。
- 家次(二代)
- いえつぐ
- 加賀
- 弘治
- 古刀
- 7000000
- 「加州住家次」「加州能美郡住太郎左衛門家次」刃文、初代同様。
- 家次
- いえつぐ
- 備中
- 建保
- 古刀
- 12000000
- 青江守次(元暦)子、又は門という。「家次」刃文、細直足入り互の目乱。
- 家次
- いえつぐ
- 備中
- 応安
- 古刀
- 11000000
- 片山一文字派。「備中国住家次作」刃文、焼幅広い丁子、匂い締まる。
- 家永
- いえなが
- 加賀
- 享禄
- 古刀
- 6800000
- 加賀初代家次子、又は門という。「加州藤原家永」刃文、互の目乱。
- 家永
- いえなが
- 筑後
- 永享
- 古刀
- 7500000
- 大石左一派。芸州にても打つ。「筑州住大石藤原家永」「家永」刃文、小沸つき小互の目乱、砂流し金筋あり。
- 家信
- いえのぶ
- 備前
- 仁治
- 古刀
- 12000000
- 福岡一文字。宗家子。「家信」刃文、小丁子。
- 家平(初代)
- いえひら
- 加賀
- 寛文
- 新刀
- 6000000
- 陀羅尼派一族。初代家忠二男。「賀州住藤原家平」「賀州住藤原家平」「加州金沢住四郎兵衛尉藤原家平」刃文、尖 り互の目乱。
- 家平(二代)
- いえひら
- 加賀
- 元禄
- 新刀
- 5500000
- 後銘国平。太銘に切る。「賀州住藤原家平」「於加賀城下藤原洲崎吉兵衛尉陀羅尼家平作之」刃文、尖り互の目乱。
- 家広
- いえひろ
- 相模
- 永禄
- 古刀
- 6000000
- 「相州住家広」刃文、尖り互の目乱、直刃崩れ足入り。
- 家広
- いえひろ
- 加賀
- 承応
- 新刀
- 5500000
- 初代家忠門。「加州住藤原家広」刃文、中直刃多い。
- 家政
- いえまさ
- 加賀
- 文明
- 古刀
- 6500000
- 「家政作」「加州住藤原家政作」刃文、尖り互の目乱、直刃。
- 家光
- いえみつ
- 備前
- 応永
- 古刀
- 9000000
- 大宮。盛景子。「家光」「備州長船住家光」刃文、腰開き互の目乱。
- 家守
- いえもり
- 備前
- 明徳
- 古刀
- 12000000
- 小反備前。義景門。「備州長船家守」刃文、小乱丁子、小沸付。
- 家吉
- いえよし
- 越前
- 明応
- 古刀
- 7500000
- 千代鶴。「家吉作」刃文、互の目乱、直足入る。
- 家吉
- いえよし
- 加賀
- 寛永
- 新刀
- 5000000
- 小松能美住。「加州住藤原家吉」刃文、直刃、乱刃あり。
- 家能
- いえよし
- 豊前
- 文明
- 古刀
- 7000000
- 初め山城住。「了戒家能作」刃文、直刃小乱。
- 一乗
- いちじょう
- 備後
- 応永
- 古刀
- 8500000
- 法華祖。「一乗」「備後国住一乗」刃文、直刃足入り、又は互の目乱。
- 一王
- いちのう
- 大和
- 正元
- 古刀
- 11000000
- 千手院。金王子。「一王」刃文、直刃二重刃、互の目乱。
- 市太
- いちた
- 肥前
- 寛文
- 新刀
- 6000000
- 「肥前国住源市太」「源市太」刃文、互の目丁子、直刃。
- 一峯(初代)
- いっぽう
- 近江
- 慶安
- 新刀
- 8000000
- 近江石堂。「一峯」刃文、互の目丁子、直刃足入る。
- 一峯(二代)
- いっぽう
- 近江
- 元禄
- 新刀
- 7000000
- 初代一峯子。「江州住人佐々木善四郎源一峯」「江州住人佐々木入道源一峯」刃文、互の目丁子、直刃足入る。
- 国別
- 年号
- 時代区分
- 価格(単位:円)
- 氏詮
- うじあき(うじのり)
- 土佐
- 文久
- 新々刀
- 5000000
- 中島門蔵。海部氏次末。「建依別藤原氏詮」刃文、中直刃。
- 氏貞
- うじさだ
- 美濃
- 天正
- 古刀
- 10000000
- 関兼房子。若狭守氏房兄、又は弟という。初銘兼貞。「出雲守藤原氏貞」「権少将出雲守藤原氏貞」「氏貞」刃文、 大互の目乱、箱刃あり。
- 氏重(初代)
- うじしげ
- 播磨
- 寛文
- 新刀
- 7000000
- 姫路住。江戸にても打つ。「大和大掾藤原氏重」刃文、互の目乱、中直刃あり。
- 氏重(二代)
- うじしげ
- 武蔵
- 宝永
- 新刀
- 5500000
- 本国播磨。「大和大掾藤原氏重」刃文、上同様。
- 氏繁(初代)
- うじしげ
- 播磨
- 延享
- 新刀
- 6000000
- 初銘氏重(三代)。「大和大掾氏重」「於播州手柄山麓藤原氏繁」刃文、上同様。
- 氏繁(二代)
- うじしげ
- 播磨
- 明和
- 新々刀
- 6500000
- 初代氏繁子。隠居して入道丹霞。「播州手柄山麓藤原氏重精鍛作」「播州手柄山麓藤原氏繁」裏に「丹霞」刃文、大 互の目乱、直刃あり。
- 氏繁(三代)
- うじしげ
- 播磨
- 天明
- 新々刀
- 6500000
- 正義兄。「播州手柄山麓藤原氏繁」「播州手柄山氏繁」刃文、上同様。
- 氏信
- うじのぶ
- 美濃
- 大永
- 古刀
- 6000000
- 「氏信岩捲」「濃州岩捲氏信」刃文、匂い、出来大互の目乱。
- 氏房
- うじふさ
- 美濃
- 元亀
- 古刀
- 10000000
- 兼房(永禄)子。初銘兼房。後、三河尾張住。「若狭守氏房作」「若狭守藤原氏房造」刃文、湾れ心の尖り互の目、 大乱刃。
- 氏房(初代)
- うじふさ
- 尾張
- 慶長
- 新刀
- 10500000
- 若狭守氏房門。本国美濃。「氏房」「飛騨守氏房」刃文、湾れ、大乱耳形乱。
- 氏房(二代)
- うじふさ
- 尾張
- 寛永
- 新刀
- 7000000
- 初代氏房子という。「備前守氏房」「備前守藤原氏房」刃文、湾れ、直刃あり。
- 氏房(三代)
- うじふさ
- 尾張
- 寛文
- 新刀
- 7000000
- 初代氏房孫。「飛騨守藤原氏房」刃文、湾れ刃。
- 氏房
- うじふさ
- 薩摩
- 慶長
- 新刀
- 7500000
- 本国美濃。「丸田備後守氏房」刃文、中直刃、互の目乱、湾れ交じる。
- 氏吉
- うじよし
- 阿波
- 明応
- 古刀
- 8500000
- 氏久(文正)子。海部住。「氏吉」「阿州氏吉作」刃文、直刃湾れあり。
- 氏吉
- うじよし
- 阿波
- 文久
- 新々刀
- 5000000
- 「阿州海部氏吉」古刀氏吉末。刃文、広直刃。
- 氏依
- うじより
- 備前
- 嘉元
- 古刀
- 12000000
- 親依族。新田庄住。「左兵衛尉氏依造」「氏依造」刃文、小丁子乱。
- 埋忠
- うめただ
- 山城
- 天正
- 古刀
- 7000000
- 短刀
- 重吉。埋忠明寿とも。「埋忠」「城州埋忠作」刃文、直刃、湾れ刃あり。
- 雲次
- うんじ
- 備前
- 文保
- 古刀
- 17000000
- 雲生弟、又は子という。「雲次」「備前国住雲次」刃文、直小丁子、葉逆足入る。
- 雲重
- うんじゅう
- 備前
- 応安
- 古刀
- 12500000
- 雲生孫。「備前国住雲重」刃文、直小丁子、小乱あり。
- 雲生
- うんしょう
- 備前
- 嘉元
- 古刀
- 17000000
- 宇甘一派祖。雲類とも呼ぶ。雲次兄、又は父という。「雲生」「備前国宇甘郷住人雲生作」刃文、直小丁子逆足入る。
- 国別
- 年号
- 時代区分
- 価格(単位:円)
- 円真
- えんしん
- 東京
- 明治
- 新々刀
- 5800000
- 正雄門、鈴木正寛。洋鉄無垢鍛。「正寛」「浄雲斉羽山円真造之」「一円真造之」刃文、匂い締まる互の目乱、又は直刃。
- 国別
- 年号
- 時代区分
- 価格(単位:円)
- 興里
- おきさと
- 武蔵
- 寛文
- 新刀
- 35000000
- 生国江州。長曽祢村。初め越前にて甲冑師。明暦(五十歳)頃、江戸に出て刀匠となり後、松平頼元侯抱え工。剣巻龍、不動、大黒天等の優れた彫物有り。山野加右衛門の試切り裁断銘もあり、最上大業物として名高い。「住東叡山忍岡辺長曽祢虎入道」「長曽祢興里」「長曽祢虎徹入道興里」「長曽祢興里入道乕徹」「長曽祢入道虎徹」刃文、焼出し心あり互の目乱、足入り刃中小沸よくつき砂流し金筋かかる。簡単な彫にも必ず同作 彫之と刻す。斬新な作風は一世を風靡。新刀の巨匠。
- 興直
- おきなお
- 武蔵
- 延宝
- 新刀
- 10000000
- 興里門。「長曽祢興直」作品少し。刃文、互の目乱。
- 興久
- おきひさ
- 武蔵
- 延宝
- 新刀
- 10000000
- 興里門。「長曽祢興久」作品少し。刃文、互の目乱。
- 興正
- おきまさ
- 武蔵
- 延宝
- 新刀
- 12500000
- 興里門。後、養子となる。二代目虎徹。「長曽祢興正」「長曽祢虎徹興正」刃文、互の目乱小沸つく、湾れに互の目 交じる。
「あ」~
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「い」~
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「う」~
「え」~
「お」~
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刀剣標準価格について
- 刀工の配列順について
- 刀工銘の一字目の漢字の読み方を五十音順に配した。一字目の読み方が同じ場合には、その漢字の少画数順とし、同字が複数ある場合はまとめて並べた(二字目も同様)。同名で同じ読みの刀工が複数ある場合は古刀、新刀、新々刀順に、又、初・二代と続く刀工は列記した。
- 振り仮名について
- 古来から呼称されている一般的な読み方を現代仮名遣いに従い、刀工名の右側にひらがなで記し、その他の読み方がある場合には、その隣の ( ) 内に記した。
- 種別について
- 以下の種別は、その刀工の主な鍛刀期・特徴を示す。
- 古刀…古刀期=文禄四(1595)年迄
- 新刀…新刀期=慶長元(1596)年~宝暦十三(1763)年迄
- 新々刀…新々刀期=明和元(1764)年~明治九(1876)年迄
- 短刀…太刀等が殆ど現存せず、現存品の多くが短刀である刀工
- 無銘極め…名工であり乍ら、現存品に在銘のものが殆ど無く、無銘極めの多い刀工
- 国について
- 刀工の生国、又は主な鍛刀地、又は居住地を記した。
- 年号について
- 刀工の主な鍛刀時代を記した。
- 系統・刀銘・刃文等について
- 刀工の主な銘文を 「 」 内に記した。
- 刀剣標準価格について
- 古来の名著「本朝鍛冶考」「掌中古刀銘鑑」「新刀弁疑」「鎌田魚妙」等を参考に、私見を加味し価格設定をした。この際、基準としたのは定寸物で在(有)銘、正真物、生ぶ茎、姿形に崩れ無く、上研済みであり勿論、健全無比な最上傑作品である。これに比して、刃長、姿形等の違いによる価格差を下記に表した。
- 定寸
- 二尺三寸から五寸(69.7~75.8cm)位迄 本欄記載標準価格
- 長刀
- 二尺八寸位以上 (価格は)定寸の八割位
- 脇差
- 一尺四寸位から二尺未満 (価格は)定寸の四から六割位
- 平造り小脇差
- 一尺二・三寸位 (価格は)定寸の五割位
- 短刀
- 一尺未満 (価格は)定寸の六割位
- 刀身に生ぶ彫りある物は三割から五割増、但し、浮彫、櫃彫、欄間透かし彫等ある物は五割から十割増。
- 以上の他に、不出来にして姿形悪く、疵あり、研過ぎて地刃に疲れある物、帽子に焼き無き物、摺上無銘物は、五割から七割減。最上無類の傑作品及び由緒ある名物等は三割から五割増となる。しかし錆身・疵等の欠点、研減り、地疲れ、真鉄の出た物、肌割れ、立て割れ、ふくれ等の目立つ物等はその減額大である。数百年の長きを経た古刀においては、多少、地刃に疲れた処あるも目立たぬ程の疵は許されるべきであり、多少の研減りも同様である。新刀の如く健全無比であれば最高の値を得るべきである。
- 又、刀工の中には例えば長光のように保存刀剣認定のものから国宝指定の刀剣迄あるものが存在し、同一刀工の作品であり乍らも数百万円から億単位迄と、価格にも幅があり、価格設定が、いかに容易でないかがお解りの事と思う。そこで今回は(財)日本美術刀剣保存協会が重要刀剣に指定している太刀又は刀を基準として一般販売価格の設定を試みた。この場合、勿論、その刀工の生ぶ、在銘、孔一個、標準寸法にて無傷、無欠点の典型的な作風をなした優品を想定しての価格である。尚、重要刀剣に指定されていない刀工に関しては、その最高傑作品を想定しての一般販売価格とした。又、今回は特に、今迄に無かった短刀及び無銘刀等の価格を一部の刀工に限り附記設定した。これは刀工の作品の内で、太刀等が殆ど現存せず、短刀のみが遺っている刀工、或いは名工であり乍らも現存品に在銘のものが殆どなく、その多くが無銘極めのもののみであるという事による。
- 更に今回、重要刀剣指定品の中には無銘極めの場合、刀工銘ではなく、流派等の名称により極められたものが数多く指定されており、これらを、〈流派等による無銘極めの刀剣編〉として掲載した。これらの一般販売価格は、生ぶ、無銘にて指定されている太刀、大磨上無銘にて指定されている刀等があり、各々、地刃健全、無傷にて典型的な作風であるものを対象とした。
- 尚、〈流派等による無銘極めの刀剣編〉に関しては「重要刀剣図譜」を、その他一部の刀工に関しては、「日本刀工辞典」(藤代義雄氏著)及び、「日本刀銘鑑」(石井昌国氏著)を参考にさせて戴いた。